「川本裕子の時間管理革命」(川本裕子)

世界で一番大切な「自分コスト」の使い方、という副題がついている。


忙しそう、忙しい、辛そうなことは嫌だし、どうしてそんなに前向きに辛そうな生活をするのだろう。

とりわけ、女性の場合など、育児や仕事を両立させていたりして忙しそうな人が、何を考えて生きているか。

最近の有名どころは勝間和代であるが、今回は、川本裕子という方が書いた本について紹介する。


本書に書かれていることは、成功した人の模範的な行動と捉えることができるし、また忙しくならないための思考法とも言える。


目次を見てみよう。大きく4章で構成されている。



第1章 問題は「出口」から考える

第2章 時間管理は「総量管理」から

第3章 スケジュールづくりの心得

第4章 仕事、休み、遊び ― 人生を良く生きるためのアイディア



■問題は「出口」から考える


問題と解決への仮説を30秒以内で説明できるようになる。

30秒で説明することを書き出すと、それは200文字以内程度になるであろう。

続いて、仮説を検証するために、問題をブレークダウンする。

ブレークダウンするには、漏れがないことと、

それぞれの項目に、アウトプットは何か、時間をどれだけかけられるか、を明確にする。

問題点を見抜くには、比較分析、数値化を求め、定量的に評価する。

人の話を良く聞き、明らかに間違っていることを、問題点として明確にする。

仮説の検証に必要なデータを、決められた時間内に集め、人に説明する。

これらは端的にいえば、世の中では"仕事"されている作業のことである。

本書では引っ越しの例が出ているが、荷物の整理にあたって、

 ・当日必要な物

 ・1ヶ月以内に必要な物

 ・1ヶ月以上後に必要な物

に分類し、スムーズに荷物を整理する例があげられている。


■時間管理は「総量管理」から


時間は有限である。

わかりきっていても、目の前の過ぎていく時間は、

ただ過ぎていくものとしか捉えられない。

そこで本書の内容を整理して、毎日思い出し、気づく癖をつけるようになろうと思う。

 ・「自分コスト」を考え、仕事と生活の計画を立てる

 ・インパクト(即効、ゆっくり)を考え、優先順位を明確にする

 ・何のための時間をかなえる

 ・自分なりの仕事のルールをつくる

 ・怠惰とマイペース、今はどちらの状態かを考える


■スケジュールづくりの心得


スケジュールの管理方法は、他の本でも同じようなことが言われているが、

本書で言及されていることを、一覧にしたいと思う。


 ・週間と、毎日のスケジュールを描き、修正していく

 ・各タスクの進捗状況を明確にできるデューリストの作成

 ・デッドラインは破らない

 ・突発自体を事前に想定し、バッファーを用意しておく

 ・自分の能力を過信しない

 ・フレキシブルに変更

 ・細切れ時間に何をするかをルーチン化

 ・インプットとアウトプットの方法、時期を明確に

 ・失敗して振り返り、進化させる


■仕事、休み、遊び ― 人生を良く生きるためのアイディア


いわゆるポジティブにワークライフのバランスを取っていくアイディアである。


自分のための大切な物を守る。

そのためには、仕事と休暇のメリハリをつけ、気分転換ができる仕組みを作る。

家、仕事をする場所、気分転換をする場所、自分にとっての"空間"を活用する。


応用編としては、

デジカメで自分の空間を事前に取得し、いつでも振り返られる状態にしておく。

そうすることで、その空間を思い出したいときに振り返り、次の行動や計画がすっきりする。



僕にとっては本書は、いくつかの時間管理系の本を読んできたなかでの、振り返りのような位置づけとなった。

本書は、時間管理において大事なことを、しっかり押さえて生きてきた著者の体験の振り返りであるので、

他人の体験をなぞり、自分を振り返るという意味では、効果があったと言えるだろう。



川本裕子の時間管理革命

川本裕子の時間管理革命