「10分間リーディング」という本を書店で見たとき、
自分の立ち読みの時間を思い起こした。
10分くらいは読んでいる気がする。
それで読了できるのであれば、こんな書店泣かせな本はない。
速読の類の本は(今のところ)好きではないし、と思っていたところ、
背表紙に
速読しないで1冊読める!
と書いてあるではないか。
いったいこれはなんなんだ?
という関心が抑えきれず、手に取った。
■「10分間リーディング」が可能な本の種類、カテゴリー
10分間リーディングに対応できる本のカテゴリーは「実用書」「ビジネス書」である。
エッセイや小説には適さない。
いわゆる本の「調査」「検索」なのである。"ウェブ閲覧的"と僕は解釈している。
■「10分間リーディング」の前準備
内容を読む前の準備としては、以下の3つを行う。
・「はじめに」を読んでおく
・「目次」をじっくり読む
・第2のタイトルをつける
知りたいことが書いてありそうか、知らなければならないと感じるか。
本から何を学び取るべきかを考える。
そして、これから読み取る内容を、第2のタイトルとして作成する。
■「Read」ではなく「Search」
読むのではなく、探す。前準備で考えた知りたいことを探し出す。
具体的には、「はじめに」や「目次」から"予測"をし、あたりをつけて検索する。
僕はこの検索の精度は"予測"が握っていると考えている。
さきほど"ウェブ閲覧的"と書いたのは、
Google検索が「本選び」、Google検索結果が「目次」「はじめに」、
そしてあたりをつけて内容を見るという情報の取得方法が似ているからである。
■アウトプットをひとつの目的とする
本の中のキーワードや名言を使って、"誰かに話す"、"スピーチをする"、"ブログを書く"
といったアウトプットを目的にして読むと、集中力が増し記憶にも残るだろう。
同時に、今後の自分の行動への影響として"アクションリスト"を作成する。
■ポイントを記録し読み返す
僕はiPhoneを片手に本を読み、気になった点のメモを取っている。
フレームワーク的な発想やメタ的な議論が気になれば、
それを元に自分が考えたことをTwitterに流したりもする。
これらの書き出したポイントを、移動中の電車や1日の終わりに読み返し定着を図る。
僕がiPhoneを使うのは、ライフログなどを目的に常に携帯しているからである。
自分にとって一番"気持ちが良いデバイス"を使うと良いだろう。
■応用編
僕が本に求めるものは、その内容だけにとどまらず、
書き方、まとめかた、分かりやすさといったものである。
「10分間リーディング」は、1つの本に対して何回か繰り返すことで、
作者の思いや、構成、表現が立体的になってくると思う。
最初に書いた僕の"仮説"である、立ち読みに活かすというのは、
すこしピントがずれていたことが分かる。
立ち読みしながらメモを取れるほど強気な立ち読みは難しい。
しかし「はじめに」と「目次」を読み、10分くらいの内容確認で、
買いたくなるような欲求を与えられる本が、売れているのかもしれない。
10分間リーディング
「予測」で読解に強くなる! (ちくまプリマー新書)