人はみな違うということ /「ゴリラの冷や汗」(Team GATHER Project)

 「ゴリラの冷や汗」という本を読んだ。人の性格や行動原理を4種類の性格分類「類人猿分類」にわけ、人間関係の営み方を考え直すきっかけとなる内容となっている。「ゴリラの冷や汗」の内容は4種類の際立った特徴をもった4人の物語で進んでいく。物語の最後に4人のなかにいる1人の女の子が、3人の男の子の特徴について語っているが、また3人の男の子を分析して語る女の子もまた、4種類の中の1人として捉えるべきである。
 
 「ゴリラの冷や汗」には、このタイプにはこうするといった具体的なことは書いていない。しかしこれは、読者に考えろといっているのではないとぼくは考えている。ではなにをいっているのかというと、「人の性格を4種類に分けるとこんなにも違う。他人は自分とは違うものであり、他人が自分とは同じように考えていると思ったら間違えである。他人がどういう特徴をもっているかをもっと知ろうとするべきだ」ということをいっている。
 
 物語の内容についてすこし紹介すると、男の子3人が冒険の約束をして、男の子3人と女の子1人が冒険に出ることになる。(なぜ女の子がいるのかは、読んでみてください)4人で冒険の目的地に向かうのだが、道に迷う。道に迷うと当然(?)色々なことが起こるのだけれど、なんだかんだ無事に帰ってくる。このような王道の物語に、4人のバラバラな性格が色をつける。冒険の前に約束をするところから最後の最後まで、4人は全く違うことを考えて行動していて、結果的に4人が通じ合うことがないのに、それでもなんとかなっている。
 
 もちろんこの物語だけではなく、現実でも、いろんな人が集まっていながらも、なんとかなっている。しかし、ときにうまくいかないこともある。でも本当は、うまくいっていない部分を無視して、あきらめていると思う。あきらめることが、あたりまえになっているかもしれない。人はそれぞれ違う。ぼくはこの人の違いをなおざりにして、人をよく見ていないことに気づいた。人は自分とは違うというところから始めて、人を見る目を身につけ、人と関わっていければと思う。