早いもので、もう3月になった。

 今日から3月である。ときが経つのが早いというのは常套句なのだけれど、ついそう言ってしまう。毎月、ずっと言い続けるような気もする。

 この早く過ぎてしまった時間を振り返るのは無駄なことだろうか。過ぎ去った時間に思いを馳せる今の時間は、無駄な時間だろうか。それは今やることではないと言われれば、そうかもしれないと思うこともできる。過ぎ去った時間に思いを馳せることを否定されると、生きてきたことを否定されたような気分になってしまう。

 しかし、それは間違っている。そもそも過去のことは「ない」ことにしないといけない。なぜなら過去をやり直すことはできなからだ。また過去の反省を今に活かすときは、その場面が来た瞬間だ。つまり過去を活かす画面を待ち構えることなんてできない。そして未来も同じ。未来を先に生きることはできない。つまり今この瞬間に未来を待ち構えることなんてできない。

 だから今が3月であることに、意味はない。宇宙的な、道理や言葉では説明できない「時間」が変化し続けているだけなのだ。