鞄をじっくり見てきた。

今日は暇を持て余して、外に出ることにした。デパートや駅の周辺を歩いていると、一人でいる人なんてほとんどいないように見えた。卑屈性のぼっち補正がかかっているかもしれないけれど、歩いている人は皆、二人以上に見えた。どういう風に生きれば、人と一緒に買い物などに行ける立場になれるのだろう。家族、恋人、友達、どういう関係かは分からないけれど、誰かと一緒に歩いて笑ってということが想像すらできないぼくは、人の波に疲れる以上に、存在感のなさに呼吸をするのを忘れそうになっていた。

呼吸が乱れていたからか鼻と耳の通りが変になりつつ、いつも行く場所をのろのろと歩き回っていると、ふと鞄が気になってきて、スーツを着ているときに持つ鞄を新調しようと思い立った。今までは数年前にユニクロとDIMEのコラボレーションで出していた機能重視の鞄を使っていた。値段は5千円くらいで、作りはナイロンとプラスチックな感じであった。これを3年くらい使っていただろうか。そろそろフニャフニャになってきたのと、どこかの駅で同じ鞄を使っている人を見て少し萎えてしまったこと、あと身の回りの物を買い直しているところだったことなど、買う言い訳みたいなものを含めて色々考えながら小一時間くらい見て回った結果、吉田カバンの鞄を買った。会社用と個人用の2つの口があり、かつ薄くて軽い鞄を探していて、いくつかのメーカーを見て回ったけれど、持ってみた感じと雰囲気が気に入ったものを選んだ。鞄の値段としては今までに買ったことがない値段だったけれど、毎日持つ物には妥協したくない。機能的には今の鞄より落ちている気がするけれど、持っていたいと思える物のほうがいいと思い、買うことにした。

実際に開けて物を入れてみると少し容量が少ない気がする。でもこれより大きくなったらトートバックなどで補完してもいい。いつも大きい鞄を持っている必要などないのだ。あと肩紐(?)が、かなりしっかりしている。ぼくは片手を開けるために電車に乗るときだけ、肩に掛けたりたすき掛けにするので、肩紐は欠かせない。またそれ以上に、継ぎ目や金具が良くて、見ていて気持ちがいい。今まではプラスチックのものが多く、肩に掛けているときに破壊してしまったことがあるけれど、新しい鞄はそんなことが起きないような雰囲気をしている。

今日は今までになく鞄をたくさん見て触っていたら、鞄は色々あって面白いなと思い始めていて、これからも鞄に凝り始めてしまうのではないかと思っている。