愛を知るために / 「トラウマ恋愛映画入門」(町山智浩)

僕は愛を知らない。トラウマ的に、愛を知らない。「トラウマ恋愛映画入門」の町山智浩は愛を語ることが苦手だと言っているが、映画を通せば愛を語れるようだ。愛を知るためには、小説より映画かもしれないと、この本を読みながら、ぼくは思った。それは何故かというと、人の演技には言葉を越える力がある。アニメが好きで、アニメに対してもそう思ってきたけれど、映画には生々しい人間模様があるということを知ったからだ。
 
ぼくは今まで、作品に出てくる俳優やその映画の監督がどういう人間かなんて関係ない、完成された映像が全てだ、なんてことを考えていたけれど、映画というものはそうではない。
 
映画には作為的には作れない、監督や俳優の歴史や背景が大きく関わってくる。ぼくは正直、今まで映画というものに興味がなかった。好きなアニメや小説が映画になるから見に行く程度のものだった。
 
しかし最近、町山智浩や高橋ヨロキ、宇多丸といった映画に詳しい人の話しを聴いたりするようになって、「映画の語り口」に感動していた。そして今回「トラウマ恋愛映画入門」という本を読み、実際に見てみなければならないと思った。