「成功学キャラ教授 4000万円トクする話」(清涼院 流水)

2006年発行と少し古い作品であるが、気になった本なので読んだ。


あとがきより、著者(清涼院 流水)自身が、いわゆる成功本の読者であり、

読んできたことの集大成を作りたいと思いを成就させたということだ。


とてもシンプルに的確に進んでいく物語に圧倒されながら、

一気に読み切ったという印象である。

成功学キャラ教授 4000万円トクする話 (講談社BOX)
成功学キャラ教授 4000万円トクする話 (講談社BOX)

清涼院 流水

講談社 ( 2006-11-01 )

ISBN: 9784062836012


目次を見てみよう。

第1講 成功法を学ぶ基本ルール

第2講 今すぐ成功する唯一の方法

第3講 プラスとマイナス成功テスト

第4講 必ず使える最強の成功法

第5講 成功法を最大限に活かす方法

第6講 スーパーマンに変身する方法

第7講 タイム・イズ・マネー成功法

第8講 魔法のコトバでQ&A成功法

第9講 シンカンセンで成功チェック

第10講 ハイエンド・リターン成功法

この目次から分かるとおり、10回の講義方式で物語は進んでいく。

しかし物語の構成としては、全員が10回の講義を受けられるわけではない。

第1回に5000人を集め開始し、講義のたびに何らかの形でテストが行われ、

最後まで講義を受けられるのは、ただ1人である。

キャラ教授の言い分としては、途中で終わった人も「卒業」である。


キャラ教授は軽快に、無駄なく、重要なことだけを、

分かりやすく伝えるプレゼンターであった。


時間の値段


講義1回1時間400万円、毎秒1000円以上の価値があるという。

理由は第10講に書かれていて、

キャラ教授の収入から、その時間の価値を割り出しているのだ。


時間の値段は、自分の価値とも言える。

月収20万円で働くサラリーマンは、

週40時間労働と仮定して、1ヶ月あたり160時間労働。

時給にすると1250円。毎秒約0.34円の価値である。


本書は、その価値を上げるために、

どう生きていけばよいのかを指標を示してくれている。


否定しない生き方


P.37

重要なのは決して相手を否定しないこと。どうしてかと言いますと、人間にとって最大の幸福が、自分の存在を他人に認めてもらうことだからです。


否定するのは簡単である。否定すれば、その時点で終わることができる。

嫌なことは考えなくて良くなるし、

信じたくないことも、信じなくても良くなる。


他人の言っていることは、他人のことなので、否定するのは簡単である。

むしろ、最初から否定するつもりで聞くことだってできる。

少しビジネス的にいうならば、このように心を閉ざし生きることは、

他人の知識や知恵を受け入れないということである。


今は対話というものの本質を見失っている。

僕は「「対話」のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの」を読み、納得したところであるが、

みんなで自意識を押し付け合い、実は誰も他人を認めていないのである。


日常会話ではなく、対話を前提に話しを進めると、

"あなたの言いたいことはわかるけど、私はこういう意見があるのです。"

というのは、最低限の姿勢であるが、僕はパフォーマンスであってはいけないと思うのだ。

"あなたのことを理解しました、その上で、私はこういう意見になってます。"

と、相手の意見を受け入れ、

"変化した自分"もしくは"変化させようとしたが、どうしても変化できなかった自分"を、相手に示し、相手にも影響を与えなければ、対話の意味はない。


楽しいことの共有も含め、ビジネスの関係でも、

影響し合う関係ではなければ、良い関係を続けることは難しいだろう。

長くつきあうことができるパートナーは、対話をしている関係であるべきである。


成功とは何か?

P.60

自分は既に成功していると、あなたに自覚をしていただくことは大切です。

それが、あらゆる成功法の出発点だからです……。

(中略)

現在の成功を認めたところから、次の成功が始まるのです。


成功には2種類ある。小さな成功と大きな成功。

"困難な問題は、小さな問題に分割せよ。"という通説がある。

ここでは、大きな成功(といっても、空想的でないこと)を困難な問題、

それを小さな問題に分割し、小さな成功(目標)とする。


読書を成功の礎に置くのであれば、例えば1年に100冊の本を読むことにする。

3~4日で1冊を読むことになる。

ここで読書の成功を、アウトプット(たとえばブログ)することと位置づけるのなら、

1週間に2つのエントリーが書ければ、概ね成功と言えるだろう。

僕は今、しばらくはこのような成功を続けたいと思い、このブログを書いている。


究極のプラス思考


P.128

運には波があり、連続している

(中略)

一生の運はプラマイゼロの法則には、実はかなりの信憑性が認められています。

(中略)

運を知り、運を読むことで、あらゆる成功をおさめやすくします。

1日1回、もしくは1ヶ月、1年の単位でも、自分の運を振り返る。

波を捉えられるかが大事だということだ。

僕は本書の電車テスト(28問の問いのなかで自分にとってプラスなことがあれば、電車を降り次の講義が聞ける)において、1問目の問いで、プラスを捉えた。

せっかちな性格だからか、それとも運を掴んだのか、わからないが、

僕はプラスの運を掴んだと思う。なぜなら単純に、問いが増えれば疲れるからだ。


P.136

プラスをシコウすること

『思考』の意味のほかに、向かう『志向』―試して行う『試行』―好みの『嗜好』―無類の上つまり究極を意味する『至高』―などといった意味あいを同時に持たせています。

(中略)

『プラス思考』―『肯定的シンキング』こそ、あらゆる成功学においてベースに位置づけられる、時に史上最強の成功法とも呼ばれる絶対成功法なのである

とても当たり前のことを言っているように思うが、とても難しいことであるとも言える。ここで求められるのは"絶対プラス思考"。

マイナスの波を、"小さなプラスの波"と言い換える。

失敗は成功の母、未来のプラスの貯金、もうマイナスなことはなくなるのである。

さきほどの運を捉えようとする行為そのものが、プラスの考えであることがわかる。


P.148

100の才能を持つ天才は、90でもマイナス。

でも、あなたの能力を仮に10とすれば、50できても、奇蹟的な成功となる。

究極のプラス思考、強引なプラス思考、何が何でもプラスに考えることの大切さに気づいた。



しかし僕は、無意味なプラス思考は"逃げ"だとも捉えている。

それは精神的な意味合い、つまり"心のゆらぎ"なので、ここでは多くを語らないが、

マイナス思考の前に立ってしまったら絶対に勝てないということを、僕は学んでいる。


天才とは、どういう存在か?


究極の天才ではなく、多くの人に認められる天才、本書では「スーパーマン」と呼ばれる人は、いったいどういう存在なのか。


P.221

スーパーマンとは、他人より少し先を歩ける人―なのです。


何かを頼まれたら、少しだけプラスアルファをつける。

また同様にそれが当たり前ではない、ということを分からせること。

それを続けていれば、スーパーマンを印象づけることができる。

企業として、ちょっとした改善(たとえばクレームへの真摯な対応など)を

繰り返していくことが大きな成功をおさめる第一歩、といわれるのは、

人に対しても当てはまるということだろう。


タイム・イズ・マネー、時は金なり


"1日"を行動できる時間とすると、1日は平等に24時間ではない。

寝ている時間、無駄に浪費している時間は、行動できていないとする。

無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」などで多く書かれていることであるが、

時間の使い方として、"投資"、"浪費"、"消費"、"空費"の4つに分ける考え方がある。

"投資"し、それを元に"消費"していくのが前向きなビジネスへの取り組みであり、

単なる"消費"は成長がないと考える。

"浪費"は、遊びの時間、"投資"と"消費"が土台にあれば、これは必要な時間だろう。

"空費"は、何もない時間、できるだけ避けるべき使い方である。


P.253

何時間働こう― と、作業時間を目的にするのは、非生産的です。


時間が少しでもあれば、何かしら成果を作り出す。

5分でできること、10分でできること、60分でできることを把握しておくことが大切である。

本をパラパラ読んで、良いと思ったところをTwitterなりメモに残すだけであれば、5分でもできる。

その5分を積み重ねた結果を行動に結びつけ、成功をおさめるのである


P.264

実は、人間には現在しかありません。未来も過去もありません。どんなにタイヘンな事件でも、終わってしまえば、必ず、あっという間のできごとです。

(中略)

過去の回想も未来の夢想も、それを想い浮かべる現在の瞬間にだけ存在しています。

未来への絶望も、地獄のような過去も、今のキモチによって変えられる。

とにかく今を濃密に生きる。

時間を作り出し、太く永く生きていくのである。


人生はゲーム


P.290

絶対プラス思考を思い出すための魔法のコトバが、『こういうゲームだと思おう』―なのです。

そして常にQ&Aを、とキャラ教授言っている

答えがない質問は、質問が間違っているとも言っている。

アインシュタインは「問題が生じたときと同じ思考レベルでは問題は解決できない」と言っている。

トヨタの「なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ」と考え抜くのも、同じことでしょう。

もちろん、なぜ、の度に、思考の枠組みは広がり、質問のレベルは根本に近づき、明確な答えになっていく。

良質な問いを続け、困難な人生をゲームのように生きたいと思うのだ。


心身を管理する。

P.330

成功するというのは、ふつうのものさしで考えると非日常の―異常な状態であり、それをムリに維持しようとすると、人生に、あらゆる軋みが生じます。

最近気になっていることといえば、公私の問題と身体の問題か。

仕事は仕事、プライベートはプライベート、というのは、

場合によっては、心身を損なう典型的な思考パターンなのではないかと思っている。

そこまで言うか!」で、ひろゆきホリエモンが言っていたことだが、そんなに公私を分けてどうするのかと。


お金が欲しい、生活がしたい、というプライベート事情から、

仕事をするという選択をしたわけであり、そもそも仕事をしていること自体が、

プライベートなことなのだと、思うようになった。


会社の中では礼儀など守るべきことは多いけれど、

求められている生産活動+αをやっていけば、

それなりに自由を求めても良いのではないかと思っている。


しかし、そう思ってはいけないのが、"会社"であることは忘れていない。

会社では公私を分け、全力で会社のために"消費"することが求められるのが前提である。しかし、それをなるべくプレッシャーに感じないようにする工夫をしていかなければ、

心身のバランスは崩れていく。少なくとも僕はそうである。

いつのまにかそのプレッシャーに麻痺しているのが、普通のサラリーマンだと思う。

逆に麻痺させるのが会社という組織であると考えている。



利他(リタ)の精神


本書の第10講、最後に語られる成功の法則は、「リタ成功法」である。

P.378

人間関係には、<ミラー・プリンシプル ―鏡の原理>が適応されていて、あなたの周りにも似たような人種が集まる、ということです。


マイナス思考の人間には、マイナス思考の人間しか集まらないし、

プラス思考の人間には、プラス思考の人間が集まる。

なぜなら、マイナス思考はプラス思考を理解できないし、また逆もしかり。

最悪、忌み嫌う関係になるので、なるべく避けていくことになるだろう。

同じ思考の人間の集まりになるのは、容易に想像がつくかもしれない。


P.386

自分に尽くしてくれる人がいるなら、尽くしてもらう。

そのお返しというわけではなく、自然なキモチから、自分も他人に尽くす。

そうして感謝と感謝が連鎖して膨らみ続ける善循環を完成させるのが、真の成功者です


ある意味究極であるが、テレビのカンブリア宮殿のような、

成功者が出ている番組を見ると、想像以上に、

一般人、つまり知らない人のことを考えているし、

また、社員や家族に支えられている姿が見える。

成功者は、悪い意味で使われる、ただの金持ちになっていないということだ。


本書の最後のオチは語らない。

このエントリーの引用も、一般的な内容の引用にとどめた。

本書は、ビジネス書であるが、小説家が書いた物語でもあるので、

気になる方は是非読んで欲しいと思うから。


成功学キャラ教授 4000万円トクする話 (講談社BOX)

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無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法

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そこまで言うか!

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「対話」のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの (PHP新書)

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