「アウトプット・リーディング」(小林 亮介)

アウトプット・リーディング、とタイトル通り、読んで・書く、ということであるが、

本書の内容は、もちろん読んで・書くことは書いてあるが微妙にずれている。


それはプロローグからすでに始まっていて、こんな著者の体験談から始まるのだ。

目標設定、目標と現状のギャップの分析、スケジュール化、そして実行し達成した。

しかし実際には仕事ができない、忙しい、勉強できない、という負のスパイラルに陥ったという。


このようなストーリーを見せられ、どうタイトルの話に展開していくかといえば、

著者を変えたのが「読書」だという。

その読書の体験をアウトプットすることが、

人生を切り開く1つの方法だという切り口を示して、プロローグは終わる。


アウトプット・リーディング

アウトプット・リーディング

小林 亮介

マガジンハウス (2010/10/21)


目次を見てみよう。

第1章 仕事の迷いは、読書が解決してくれた!

 読書で身について「スキル」と「心のゆとり」

 「人生を大きく変える本の読み方」を身につける

第2章 「アウトプット・リーディング」にチャレンジしよう!

 ツイッターについて、これだけは押さえておきたいこと

 ツイッターで広がっていく「読書の可能性」

 「アウトプット・リーディング」の第一歩を踏みだそう!

 ツイッターに「読書記録」を残す予想外の効果

第3章 「アウトプット・リーディング」で広がっていく「本の世界」

 他者とのつながりが自分を高めてくれる!

 チャンスがあれば、著者とも知り合いに!

 ツイッターとブログを連携してパワーアップ!

 「ワンランク上」を実現するツイッター活用法

第4章 「アウトプット・リーディング」の必須アイテムはモバイル機器

 「アウトプット・リーディング」にモバイル機器は必須

 「起動の速さ」と「動作の速さ」にも注目

第5章 モバイル機器の活用で、もっと読書を楽しもう!

 シンプルに本を読むときにもモバイル機器が役に立つ

 気づきを習慣にするスケジュールの組み方

 モバイル機器で「失敗体験」を乗り越えよう

 「本を買う習慣」を身につけるテクニック

 「本の読む習慣」を仕組み化するテクニック


年間に何冊本を読むかは、実行力とは比例しないので、

何冊読めばいいということではないと思っているが、

筆者は年間180万円程度、本に使っているということだ。

速読、フォトリーディングという技術も学んでいる。


そして、読書の肝は「アウトプットすること」だとしている。

以前、『10分間リーディング』という本を紹介したが、

読書をするとき、何をアウトプットするかの仮説を立て、それを目的として読む。

目的のものを探すように本を検索していく。

アウトプット・リーディングのスタイルは、これと似ている。


アウトプット・リーディングは、それを"読書と同時に行う"ということに重点を置いている。

読書の実況中継ということだ。ツイッター的には、読書なう。

著者の言うとおり、ブログを書く場合も、

ツイッターを振り返りながら書けば効率的に書けるだろう。


ツイッターに言及するのは少し的がずれるが、

ツイッターはコミュニケーションツールの1つであり、

また事後記録としては有用であると考えている。


ツイッターの140文字という制限は、これも以前述べたが、1つの文や段落は、

3行程度にまとめるということにも丁度良い長さなのである。


取り組み方は人によっては違うとは思うが、人に見られていると思って残す記録は、

後から自分で振り返るときに、客観的になることができる。

それが日記とは違うところだと思うので「心の奥の気持ち」を残すのでなければ、

ツイッターは非常に良い記録ツールであると思っている。


読書の記録方法として、本書でも言及されているが、Evernoteツイッターの違い。

それは、表面上、文字数制限とコミュニケーション機能であるが、

内面的にはリアルタイム性と、まとめようという意識に大きく違いがある。

リアルタイム性は、読書への真剣度に繋がると考えている。

まとめようという意識は、本のコピーではなく、残したいことを考え端的な文を作り出すようになる。

これを元にブログを書くときに、また新たな気持ちで接することができ、

著者の考えのコピーではなく、自分独自の観点へ発展するきっかけになる。


本書の後半は、アウトプット・リーディングの環境について書かれている。

こちらは本書を参考に、自分なりの方法で進められればよいと思う。

・モバイルでのツールの使い方、選び方

ツイッター以外のマインドマップでのまとめ方

・読書の仕組み化

・読書後のスケジュール化とプロセスの考え方

・失敗から成功へ導く実行の仕方

・本の情報の収集方法(書評ブログのRSS取得など)


このブログは、ある意味、ひとり「読書会」である。

色々な人が参加して、話し合うというのにも興味があるが、

まだそういうことができる人とは出会っていない。

もし僕が読んでいる本に興味があって、

そのことについて話してみたいと思う人がいれば、ぜひ声をかけて欲しいと思う。



アウトプット・リーディング

アウトプット・リーディング


10分間リーディング

10分間リーディング