TSUTAYAという場所

 引っ越した場所には代官山蔦屋書店とSHIBUYA TSUTAYAという、2つの大きなTSUTAYAがある。ぼくは10年以上前になるが、大学に行っている4年間、実家近くのTSUTAYAでアルバイトをしていた。音楽が好きで、中学の頃から毎週のようにCDショップに通い、そしてCDを買い続けていたぼくは、最初はレンタルかCD販売を望んだのだが、結果的に書籍売り場で4年間働いたのだった。そこで本に興味を持つことになり、すこしずつ読書をするようもなった。ぼくはいわゆる青春の4年間の多くの時間を過ごしたTSUTAYAに愛着がある。
 先日代官山蔦屋書店に行ったときにTSUTAYAの創業者である増田宗昭の本「代官山 オトナTSUTAYA計画」を買って読み、増田宗昭TSUTAYAにかける思いやコンセプトを知ることが出来た。増田宗昭はコンテンツを所有するという生活に変化が起こることを察知し1983年にレンタル事業を始めた。TSUTAYAが全て持っていて貸し出すから持っている必要はないという環境を作ろうとした。それから20年くらい経ってできた代官山や渋谷のコンセプトは、「ない映画はない」である。DVD化されていない映画はVHSがレンタルされている。
 代官山は映画だけではなく、街の図書館ともいえる大規模な書店をつくった。4000坪のカフェのなかに本屋がある。その本屋のなかにスタバがあり、スタバのコーヒーを飲みながら本屋やCD、DVDを選ぶことができる。そして近年は図書館も運営するようになり、ビジョンが確実に現実になっているのだとわかる。
 先日は代官山、今日は渋谷に行ってきたのだけれど、TSUTAYAにいるといつも時間を忘れて歩き回ってしまう。知っている音楽や映画のことを思い出したり、聴いてみたいCD、観てみたいDVDを気軽に借りて帰れる。これ以上ないTSUTAYAに通えるという、とても素晴らしい環境に引っ越してきたと思った。