しあわせ

 ぼくのように普通に生きている人間が、毎日何かを書かざるを得ないと思いつらつらと書いているのだから、世の中には同じような感覚の人がたくさんいるんだと思っている。しかし多くの人はそれを言葉にできないで、もちろん書くことなどできず、ただ死にたい死にたいとだけつぶやきながら、鬱々と暮らしているのだろう。ぼくはこんな自分のことをなんとかしているように、同じような人のこともなんとかできないかと考えてしまう。
 ぼくみたいな人間が他にもたくさんいるかもしれないということ自体も、ぼくがまだ何かに期待しているということの証かもしれない。そう思い込めているうちは、まだまだやっていけるのではないかと思う。
 ぼくに役割があれば、自分の能力を発揮することができる。きっと能力がないから、ぼくは役割を与えられていない。こんな、人の役に立てる能力も役割もない、なにもない自分が人の世でどう生きていくのか、まったく想像が出来ない。
 人は明日もあるのだと信じているから毎日眠ることができるという。ぼくは眠れないときはほとんどないし、寝つきだけはいい。未来が想像できなくても、明日生きている感じに不安はない。だからある意味しあわせに生きているのだろう。
 毎日眠れる。これで十分しあわせなんだ。今日も眠い。だからこれでいい。