労働時間が減っていく。

 ぼくが勤めている会社では、今年度から労働時間の管理を徹底するようになってきた。今でもプロジェクトによっては労働時間が長い時期もある。それでも基本方針としてはそれなりにまともな会社であったのに、今年度からはっきりと変わってきた。高度成長期からバブル崩壊、失われた20年をリアルタイムに生きてきた経営層までも、今までの働き方を変えなければと言い始めたのだ。経営方針が売上から利益率にシフトしいるということでもあるのだろう。
 ぼくのいる会社は、世間全体から見ると、制度も給料体系も標準的な会社であると思う。だからきっと、このような方針の会社に勤める会社員が増えていくだろうと予測できる。
 労働時間が減少していくなか、これからどう生きていくのかは、ぼく以外の人にとっても、課題となっていくだろう。結婚率が低くなり、恋人がいる率も下降傾向を辿っている。労働時間が減少しているなか、いったいぼくたちは何をするのだろうか。人間が時間を持てあましてやることというのは、あまり好ましくない方向にいきかねない。社会というのは、会社というものをつくって労働に従事させることで、人間の貢献感を満たしてきた。日本は特に長い労働時間を与えることによって、その貢献感をふんだんに与えてきたということでもある。
 長い時間をかけて新しい時間の使い方を覚えるのだろうけれど、最初に時間を突きつけられる世代は、うまくいかないのでは思う。つめこみ、ゆとり、つめこみの教育方針もそうだが、もっと長く大きな周期で方向性を考え、維持して改善していかなければ、理想には近づけないのではないかと思う。そもそも、理想や信念がないから、短いスパンで方針を変えてしまうのかもしれないけれど。
 話しの方向もよくわからなくなってきてしまったけれど、また来年度になってやっぱり労働時間を増やして売上を向上させろなんて言い出さないで欲しいと思う。