言葉にすることで、確かなものになる。

 よく分からなくなったら、そのよく分からないことを説明してみるといいと、ぼくはよく会社のなかで言っている。実際にそうしている人はあまりいないようだけど。メールを書くにも資料を作るにも、とりあえず書けることは全部書いて、そのあとに、いわゆる必要な要件が伝わる文だけに削っていく。その前にたくさん書いたことは、打ち合わせなどで話すときの自分が話す言葉になる。そうすれば資料を作った後に、それをどうやって説明しようなんてことを考えることもなくなるだろう。

 素直になりたい、過程を話したい、と、言葉にしてみると、そのとおりになる。結果的にそのとおりになっていた。見失いそうになったら、見失いそうになっていることを、そのまま言葉にしてしまえばいい。ぼくにとってブログとは、そういう場所なのかもしれない。いや、いつのまにかそういう場所になっていた。たいしたことは言っていないけれど、書いてしまえば、それが確かなことになる。自分が書いたことは、なんというか、嘘にならない。曲解を恐れずに言うならば、真実ではないこともあるけれど、それが嘘かどうかなんてどうでもよくなる。そもそも自分でもわからなかったことを言葉にしているのだから、書いてしまったことが本当のことなのだと思うしかない。

 だからここで念のため、ぼくはイケメンであると書いておきたいと思うが、これは真実を誰も知らないことを利用した、ただの嘘である、かもしれない。