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片思いは恋愛ではない。

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 好きという気持ちだけでは、自分自身にも、もちろん好きな相手にも、なにも影響しない。気持ちというのは、常に維持しようと試み続けるものであって、自然に気持ちを維持するということは不可能であり、不自然なことである。だから人は、気持ちを通じ合える人と特別な関係でつながり、気持ちを維持するということを互いに支え合うのだ。

 最近は、片思いというのは恋愛に入らないという。メールやLINEなどのツールによりコミュニケーションのスピードが上がっていることと同時に恋愛のスピードも上がってきていて、誰かを好きだという気持ちが簡単に伝わる世の中になってしまったからだろうか。

 誰かを好きになったら、それを支え合う関係、つまりその好きな人の恋人にならなければ、思う時間の価値はゼロになる。自己満足でいいというのは嘘であって、恋人になる可能性を信じるというのも嘘なのだ。噛み合っていない感情を正当化するために、嘘をつかざるを得なくなっているともいえる。

 それは生存競争という、人間の本来の性質を顧みればわかる。女性は相手の男性が好きじゃないことで、その男性を虐げることができる。男性は、相手の女性が好きじゃなくても受け入れることができる。男性からみて嫌なのは、女性が自分を好きになってくれないことであり、女性にとって嫌なのは好きでもなんでもない男性のことなのである。逆に、男性は女性に好きになってもらえればいいのであり、女性は好きな男性に受け入れてもらえればいい。

 噛み合っていない感情の正当化とはつまり、女性は好きでもないに受け入れられている現実から目を背けて嘘をつき、男性は好きになってもらえず虐げられている現実から目を背けて嘘をつくということだ。

 片思いは恋愛ではない、という話。特定の人が好きという気持ちだけで、なんらかの理由で恋人になれないということを片思いというのであれば、たしかに片思いは恋愛に入らないのかもしれない。ぼくの感覚がこの時代の恋愛に近づいてしまったのか、元からこういう人間だったのかわからないところもあるけれど、ぼくも片思いは恋愛ではないという感覚に納得している。