「ビューン」で読む雑誌が面白い。

iPad mini Retinaを買って、高い解像度でかなり細かい文字がはっきり見えるようになったことで、Kindlekobo、kinoppyなどで読む本だけでなく、雑誌が読めるようになった。あまり買うことがなかった雑誌をiPad mini Retinaを買ったからといって読むようなことはないだろうと思っていたけれど、読んでみたら思いの外面白かった。
 
ぼくは「ビューン」という、月400円で複数の雑誌が読めるサービスに入って、立ち読みしたり特集によってはたまに買ったりもする「PRESIDENT」や「東洋経済」「DIME」「サイゾー」などの雑誌をひととおり読んだ。全部読みではない雑誌は一部の内容だけだが、それでも半分は読める。A4版の大きめの雑誌も、iPad mini Retinaで拡大せずに読めたのには感動した。すこし次が小さければ拡大すればいい。とてもスムーズだ。今後このような大きめの雑誌も、端末で読むことを前提としたレイアウトにすることで、衰退の一途をたどる雑誌も、まだまだ生き残れるのではないかと思っている。
 
雑誌が今後も生き残れると思うのは、紙面の問題だけではない。雑誌の内容は面白かった。ぼくはリアルタイムな使い捨ての情報には意味がないと感じている。しかし、使い捨てられずに残った情報には意味があると感じている。雑誌に掲載されるということは、使い捨てられずに残る可能性が高まっている情報であるといえる。もちろんその場限りの情報もあるだろう。それでもぼくが読んだ感覚では、リアルタイムの情報よりは、精度が高く、また内容も面白い。面白いというのは、雑誌に掲載される情報は事実だけではないからだ。仮説やその検証、複数の人の意見、他の話題との絡みなど、1つの話題から得られる情報が多岐にわたることがある。
 
つまり雑誌を読むことは、リアルタイムの情報をウェブで得ることとは、まったく目的が違うのだ。情報を得るという目的で雑誌を見てしまうと、どういう情報をどういうタイミングで得たいのかが分からない。ぼくのことを言えば、リアルタイムの情報を得たいのではなく、仮説や検証、分析を経た情報、もしくはその過程の情報を得たいということから、改めて雑誌の面白さに気づいたということになる。また、仮説や検証、分析は、ぼくの手ではできない。だからそれを雑誌(編集者など)に委ねる。ここにお金を出して雑誌を買う意味がある。これから雑誌を読んでいくと、雑誌の色などがわかり、委ねたい雑誌が絞られるかもしれない。
 
あと、ビューンの特徴としては、男性誌も女性誌も読めるということだ。立ち読みがしづらい女性誌を気楽に読めるのがいい。カタログ雑誌みたいなものは、女性誌も男性誌も同じような紙面をしていて、売っている商品だけが違う。想像以上に女性たちは男性にモテたいのかもしれないとも思った。男性誌は、モテたいということを全面には押し出さないし、モテ系の話しはどちらかというとアダルト系に近くなる。このあたりのすれ違いをうまく埋められている男女がリア充で、全く興味がなかったり、変に偏ったり振り切れてしまっている男女が非モテに陥るのかもしれない。