「ビジネス書」は、ぼくを変えた

ぼくは以前数年ほどビジネス書を大量に読んでいた。サラリーマンの読書といえばビジネス書だろうと言わんばかりに読みまくっていた。その結果がいまのぼくなのだから、ビジネス書は一種の毒であった。

読んだ本はブクログに登録しているのでビジネス書を数えようと思ったけれど、ビジネス書の表紙を見ると変な汗をかき始めてしまった。ビジネス書1冊を読む時間を1時間半としたところで(実際そうしていた)、ぼくは何時間ビジネス書を読んでいたのかということを計算するのが怖い。

一見タイトルを見たところで、何を「ビジネス書」とするかどうか少し迷ったが、敢えて分類すればこういう本を読んできた。

○成功、名言 ・成功者自身が書く人生論 ・成功者のことが書いているもの ・現代にも通じる言葉 ・賢人が言っていたこと ○人間関係 ・会社のなかでの立ち回り方 ・会社の外での立ち回り方 ・上司部下との関係 ・育成の方法 ○経営・業務 ・経営戦略 ・MBA ・企画 ・プレゼン ・業界特有の業務

○独立・起業 ・会社を飛び出そう ・世の中の役に立とう ・自分の力で生きよう ・会計、財務 ・営業 ○学問系 ・経済学 ・行動経済学 ・数学 ・統計学 ・哲学 ・心理学 ○社会系 ・資本主義社会 ・社畜、会社の奴隷 ・社会や会社の仕組みを逆手に取る ○生産性アップ ・時間術 ・タスク管理 ・スケジュール管理 ・モチベーションやストレスを管理 ・情報を管理して無駄をなくす ・フレームワークで無駄なく漏れなく ・仕組みをつくって効率化 ○スキルアップ ・読書術 ・文章術 ・手帳術 ・ノート術 ・情報整理 ・記憶術 ・できる人のこと (睡眠、体調管理、筋トレ、走る、 歯がきれい、話し方、休日、 振る舞い、ノマド、ニート、など) ・自己啓発の方法

上から書き始めたときにはこんなに分類してしまうとは思っていなかった。それぞれの分類・テーマについてぼくのことを書いていけば、ブログのネタは当分尽きそうにない。

しかし今のぼくには、これらビジネス書を読んだ形跡や効果がまるで見えない。もし感動したり今の自分を作る一部になっていれば、表紙を見ただけで全身に鳥肌が立つものだし、一番良かったところだけでもまた読みたいと思うはずなのだ。ぼくにとって読書の素晴らしさは全身の震えで感じるものだから、ビジネス書にはそれがないのが明らかにわかる。

ビジネス書がある目的はなんだろう。これらは本当にぼくのビジネスに必要なことなのだろうか。もっとしっかり身につけていれば、いまごろ年収が2倍、3倍になっていただろうか。生産性が2倍、3倍になっていたのだろうか。それを計ろうにも、会社という社会、組織に今の立場でいる限り、とても難しいことだろう。

こうやっていくらビジネス書を読んでいても何も変わらない理由は「環境」だということが分かってきている。もっというと、もしぼくがこれらのビジネス力が身について活用できるのであれば、自らそれを活かす「環境」に変えているはずなのだ。

ぼくはもし「環境を変える」としたら、もう会社になんかに居たくないし、そもそも仕事もしたくない。ぼくを例にとれば、いくら色々なビジネス書を読んでも、結果的に仕事なんてしたくないって思わせてしまうこともあるということだ。もしビジネス書に興味を持たずに会社が望むように生きる自分を維持していたら、仕事に生きることを何の疑問もなく受け入れていた可能性もある。もちろんこんなブログもわざわざ書かないで無心に生きていたに違いない。"もし"の人生は予測もつかないのだけれど、なにが幸せだったのかを考えてしまう。