深夜2時半過ぎ、突然目が覚めた。

なぜなら、異常に唇が重いからだ。

タル~ンとしているではないか。


鏡をのぞくと、下唇が大きくなっていた。

往年の、いかりや長介氏を彷彿とさせる唇。

いや、彼より膨らんでいた。

唯一の救いは、ツルツルに光っていて、綺麗だったことだ。


血迷った僕は、蚊に刺されたということにして、

ムヒみたいな、かゆみ止めを塗ってみた。

ピリピリした。

苦かった。

余計に膨らんだ気がした。

いくら噛んでも痛みを感じない、最強の唇と化していた。


朝になっても、あまり腫れは引かず、

リポビタン的な飲み物で1日持たすことを決意。

会社が終わったら病院に行こうと決めた。

通勤では、下唇を引っ込めるのに神経を使った。

上の歯で押さえるように、下唇を押さえる。

会社でも口を全く開かない。


しかし昼休みの今、まだ違和感はあるが、

重たい感じは消えてきて、噛むと感覚がある。

直ってきたみたいだ。